PROGRAM

 
2010/04/19 (月)
  • 紀伊國屋書店富山店 朝加さん

  • 今日ご紹介した本

4月19日キノコレ[【終了】grace]


 
4月19日の 『キノコレ』     

「キノコレ」は、毎月・第1&第3月曜の13:45〜『grace』の中でお送りしています。

今週は、紀伊國屋書店富山店 係長 朝加昌良さんのオススメ本です!


〜『1Q84』BOOK3ついに発売〜

4/16に発売、早くもベストセラー入りです。既に70万部刷られることが決まっており、
紀伊國屋書店でも発売当日1万部程度の売上がありました。
当店でもまさしく飛ぶように売れ、申し訳ございませんが売り切れました。
お求めは次回の重版からとなります。
重版は23日金曜日なので、入荷はその次の週あたりになるのではないかと。
ご予約があればその方から優先となります。

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 『1Q84』BOOK3 村上春樹 (新潮社)』
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・はじめにBOOK1、2のおさらい。まだ読まれていない方もいらっしゃるかとも思いますので、ざっくりと。
 主人公はスポーツインストラクターの「青豆」という女性と、小説家を目指す男性である「天吾」。
 10歳の頃に出会っていたこの2人の視点を章によって変えながら物語が進められてゆく。
 2人が関わる様々な出来事が、段々と重なり合い、物語が一つに向かってゆきます。
 その交わる部分にあるのが「さきがけ」というカルト教団。
 もう1つの仕事を持つ青豆は、とある目的を持ってそのリーダーに会うことになります。

 一方、天吾の方は「ふかえり」こと深田絵里子の書いた小説をリライトすることになり、
 その小説「空気さなぎ」がベストセラーに。このふかえり、が教団にとある関わり方をしています。
 
 二人を取り巻く物語が進む中、奇妙な現象が起こっている世界であることに彼らは気づく。
 2つの月、リトル・ピープルと言われる存在など、そこは小説「空気さなぎ」に書かれている世界と似通ったもののようです。
 1984年から少し離れた世界、それは「1Q84」年と表現されます。
 その世界から元の世界に戻るべきなのか、また戻れるのか、
 彼らの前に現れた不思議な現象の意味は、そして何より彼らは再び会うことができるのか…?
 この世界自体の物語であり、二人の恋愛物語でもあるでしょう。
 
・気になるBOOK3の内容ですが、今回もなるべく先入観なく読まれたほうがよいでしょうから、あまり具体的には申しあげません。

 すぐ分かる部分で、目次部分。今回は2人以外、第3の語り手の章があることに気づかれるかと思います。
 すでに登場している人物ですね。名前だけ見て誰だったかな? と思う方も読めば思い出すでしょう。
 副題を見てみましょう。今回は10月−12月となっており、BOOK1、2 同様に3か月分の物語。
 ということは、BOOK4もあるのか?と思わされます。
 一方で「1Q84年」の話なので12月まで進んだのでこれで最後、と考えることもできるでしょう。

 読み終えた個人的な感想としては、やはりまだこの物語は続くのではないかと。
 
 起承転結で言えば大きく話が動いた2巻が「転」にも思えたのですが、もう一度「承」が来たかの印象です。
 もちろん、この緩やかな着地点が結末としても納得はいきます。しかしこのあとまだ「転」が入って「結」に進むように思えます。
 まだこの物語の続きが読みたいからかもしれませんが。


〜本屋大賞明日発表!〜 

 全国の書店員の投票により決定される賞。
 日本国内の小説を対象に一人3票で得点投票、その上位10作品がノミネート作品となり、決選投票。
 
2次投票はその全てを読んだ上で、あらたに1位から3位までを決めた得点投票を行いその合計点数で最終順位が決まります
 (ちなみに自分は1次投票で『天地明察』『神様のカルテ』『猫を抱いて象と泳ぐ』に投票しました。
  2次投票ではうち1冊を『船に乗れ!』に変更しました・・・余談)。

 
それではあらためてラインナップのご紹介…(作品名五十音の順番です)。

・『1Q84』著/村上春樹 (新潮社) 
 詳しくは先の紹介を。

・『神様のカルテ』著/夏川草介 (小学館)
 現役のお医者さんが書いたデビュー作。
 ユーモラスでありながら医道への思いの真剣さが伝わってくる、
 そしてなによりとても温かで読後感のよい作品です。

・『神去なあなあ日常』著/三浦しをん (徳間書店)
 主人公の青年が就くことになった仕事は、なんと林業。
 その仕事に悪戦苦闘する様と、面白おかしい村の習慣や人々を楽しく読ませる。
 神去村という架空の舞台ですが、こんな村があったら住んでみたい。

・『植物図鑑』著/有川浩 (角川書店)
 道に落ちていたイケメンを拾う話(笑)、さらにこの男子が家事全般も行い、しかも野草料理を得意としています。
 この料理部分が採取から作り方までちゃんと書かれていて、
 思わず自分でも作りたくなります (ちゃんとレシピも付いていますよ)。
 著者得意の王道ラブコメといえます。

・『新参者』著/東野圭吾 (講談社)
 人気の加賀シリーズは連作短編のかたちをとり、
 最後にメインの事件の謎が解き明かされるという技巧もさながら、
 人情味が前面に出て読み口も抜群。
 加賀刑事が下町を歩き回り、いつも以上に見せ場がたっぷり。
 18日に連続ドラマもスタートしたばかりのまだまだ話題作。当店ではMAPも配布中。

・『天地明察』著/冲方丁 (角川書店)
 戦も剣術もでてこない時代小説、テーマは「暦作り」。これがまた、熱く胸に迫る。
 何かにひたむきになっている姿、というのは良いものです。
 著者自身これが時代小説初挑戦ですが、読者の方も時代小説初挑戦によい本です。

・『猫を抱いて象と泳ぐ』著/小川洋子 (文藝春秋)
 小柄で、机の下に潜り込んでプレイをするという奇妙なチェスプレイヤー、リトル・アリョーヒンの物語。
 奇妙な人々ばかりなのに物語としての調和に優れた、美しく織り成された小説。

・『船に乗れ!』著/藤谷治 (ジャイブ)
 高校の音楽科に所属する少年を主人公とした青春小説。
 たださわやかなだけの青春小説とは一線を引いた、
 濃密な物語は本当に一人の人物の生き方を追いかけているかのよう。
 夏目漱石や太宰治を読んだときのような、人の心についての小説のような読後感を得た。
 丁寧に書かれた、じっくり読みたい作品です。

・『ヘヴン』著/川上未映子 (講談社)
 いじめ、を根底に置いた著者初の長編。
 読んで考えさせられ、 そして彼らの言葉や行動、またそれに対して考えたことがしばらく頭に残るような、
 インパクトのある作品です。

・『横道世之介』著/吉田修一 (毎日新聞社)
 飄々とした、どこかにいそうな青年の横道世之介。田舎から上京した彼は様々な人に出会い、
 様々な経験をし、そしてみんなの記憶に「そういえばいた、どことなくいいやつ」として刻まれる。
 同年代には身近に感じるし、80年代の設定なのでやや上の年代にも懐かしく読んでいただけるでしょう。


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紀伊国屋書店富山店からのお知らせ
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<加藤登紀子さんサイン会>

 5/7(金)18時より開催予定です。先着100名(予定)、関連書籍、CDご購入の方が対象。
 整理券など詳細はまた店頭にて告知いたします。
 店頭でお確かめいただくか、あるいはお電話にてお問い合わせください。

◆紀伊国屋書店富山店   場所は、富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F   
電話番号  076-491-7031   営業時間 10:00〜20:00  

・4月定休日はもうありません。5月は3回、12日、19日、26日の水曜日。


◎4月19日の放送は、ポッドキャストでもお聞きいただけます!


【終了】grace


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