★☆★★☆★ 11月16日の 『キノコレ』 ★☆★★☆★
「キノコレ」は、毎月・第1&第3水曜の13:45〜『grace』の中でお送りしています。
今週は、紀伊國屋書店富山店 奥野晃英 さん からオススメの本をご紹介頂きます。
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『室町無頼』
本日ご紹介する本は垣根涼介さんの『室町無頼』です。
時は「応仁の乱」前夜の京の都。
一部の貴族や武士、僧侶たちが際限なしに富み、勝手きままに浮世を楽しむ一方で、
京の巷には飢えた人々が群がりあふれかえる、
現代で言うところの超格差社会が進行していました。
そんな末期的な世の中に、主人公・才蔵は六尺棒一本を手に歴史の渦へと飛び込んでいきます。
ならず者の頭目・骨皮道賢、
怪しげながらも卓越した剣術と兵法を極めた浪人・蓮田兵衛、
美しき遊女・芳王子たちとの出会いはその渦にどんな波紋を投げかけるのでしょうか。
垣根涼介さんと言えば現代物のイメージが強いですが、
今回はほとんど書いている方がいない戦国時代でない室町時代の中期に挑むという
非常に挑戦的な作品となっております。
また作中の骨皮道賢、蓮田兵衛は実在の人物です。
彼らはリアリティに富む一方で、非常に躍動的に動きまわっており、
本当にこういう想いを胸に抱いて生き抜いていたのではと感じます。
現代も格差社会、閉塞感が叫ばれていますが、
そんな重く苦しさを吹っ飛ばす、スカッとした読了感のある一作となっております。
是非、一度手にお取りください。
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『これでいいのか富山県』
次に、売れている新刊の紹介です。
ただ今、紀伊國屋書店富山店では『これでいいのか富山県』という本がご好評を頂いております。
これでいいのか、という挑発的なタイトルなのですが、
カマボコ、売薬さんなどの富山の特色から
県民気質、各市や地域が抱える問題点まで掲載されており、
富山県民なら思わず唸ってしまう情報が詰まっています。
現在、エスカレーター横の柱を始め
何箇所かで大きく展開しておりますので、是非一度ご覧ください。
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<フェアのお知らせ>
はじめての海外文学フェア
ただ今、紀伊國屋書店富山店では、
Aカウンター前で「はじめての海外文学」フェアを開催しております。
海外文学と言うと、敷居が高い、とっつきにくいなどのイメージがあり、敬遠される方も多いかと思います。
そんな海外文学に親しんで貰うためのキッカケになるような作品を集めてみました。
ジャンルも名作から、恋愛、SFまで様々。
気に入った表紙で選ぶのもいいかも知れません。
12/7(水)まで開催しております。
是非一度ご覧下さい。
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紀伊国屋書店富山店
住所: 富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
HP http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/
※今月の店休日 11月はなし
◎ 11月16日の放送は、ポッドキャストでもお聞きいただけます。
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