★☆★★☆★ 12月19日の 『キノコレ』 ★☆★★☆★
「キノコレ」は、毎月・第1&第3水曜の13:45〜『grace』の中でお送りしています。
今週は、紀伊國屋書店富山店 野坂美帆(のさか・みほ)さんのオススメ本のご紹介です!
今回ご紹介するのは、『月と蟹』で直木賞を受賞した
道尾秀介 さんの 『ノエル−a story of stories−』(新潮社) です。
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物語をつくってごらん。きっと、自分の望む世界が開けるから――。
理不尽な暴力を躱すために、絵本作りを始めた中学生の男女。
妹の誕生と祖母の病で不安に陥り、絵本に救いをもとめる少女。
最愛の妻を亡くし、生き甲斐を見失った老境の元教師。
それぞれの切ない人生を「物語」が変えていく……
どうしようもない現実に舞い降りた、奇跡のようなチェーン・ストーリー。
最も美しく劇的な道尾マジック!
(新潮社webサイトより)
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それぞれ作中童話を軸に展開する三つの中篇が連なって、一つの大きな仕掛けを成功させた、
とても風変わりな構成の作品です。
構成の巧みさは、ミステリ作品から出発した著者ならでは。
しかし、道尾作品はそれだけでは終わらない!
物語を形作る文章の繊細さは、小説にしかできない表現世界を追い求める著者のストイックさが現れるよう。
鮮やかで、ドラマティックで、美しくて、ため息をつかずにはいられない、極上の一作です。
身を切るような切なさを持ちながらも、優しく温かく、幸福な読後感。
今年のクリスマス、誰か大切な人に本を贈るとしたら、
私は迷わず『ノエル−a story of stories−』をオススメします。
◎また、2013年1月発売予定の最新作『笑うハーレキン』(中央公論新社)もご紹介します。
お楽しみに!
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道尾秀介/著
ミチオ・シュウスケ
1975年、東京都出身。
2004年『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、作家としてデビュー。
2007年『シャドウ』で本格ミステリ大賞、2009年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞を受賞。
2010年『龍神の雨』で大藪春彦賞、『光媒の花』で山本周五郎賞を受賞する。
2011年『月と蟹』で直木賞を受賞。
独特の世界観で、ジャンルを超越した作品を次々に発表している。
近著に『カササギたちの四季』『水の柩』『光』などがある。
(新潮社webサイトより)
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*本の雑誌社サイト「web本の雑誌」にて、『ノエル−a story of stories−』情熱読書会に参加しました!
作品に惚れ込んだ五人の書店員が、熱く語ります。
http://www.webdoku.jp/shoten/special/2012/1128_140221.html
*情熱読書会の内容をフリーペーパーにして配布中!また、クリスマス版限定フリーペーパーも。
紀伊國屋書店富山店文学売場にて。(情熱読書会に参加した書店員の所属する各店でも配布しています。)
http://www.shinchosha.co.jp/news/blog/2012/12/14.html
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紀伊国屋書店富山店
住所: 富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
HP http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/
※店休日 年内は休まず営業します。
◎12月19日の放送は、ポッドキャストでもお聞きいただけます!