今回は富山県出身の作家、石岡琉衣(いしおか・るい)さんの「白馬に乗られた王子様」を紹介します。
石岡さんは1974年7月19日富山県生まれで、名古屋大学法学部を卒業。
TV局に勤務後、漫画家になりました。
石岡ショウエイの名で週刊少年ジャンプに連載をもつ時期もありましたが、
原因不明の病に倒れ漫画家の道をいったん断念されます。
現在も療養しながら創作活動の道を歩み、
『白馬に乗られた王子様』で第12回ボイルドエッグズ新人賞を受賞し、小説家としてデビューを果たしました。
(あらすじ)
21歳の美月は子供の頃から毎晩「白馬の王子様」の夢を見ていました。
ところが、ある晩、夢の中に白馬とともに現れた王子は、こんなことを言います。
「私が禁を破り、あなたに理想的な夢を与えすぎたせいで、あなたは一生、恋ができなくなりました。」
嘆く美月に残された道はただひとつ。あと二日で現実の世界で恋に落ちる相手を見つけること。
こうして、二人と一頭の、二日間だけの恋をめぐる冒険が始まります。
まず、おもしろいタイトルに惹かれました。
表紙のコミカルな絵も石岡さんが書いています。
表紙の王子様のイメージがあまりにぴったりで、読み進めていくうちに、自分の頭の中でそのまま動き出す感じです。
白馬ブランや美月のキャラクターも頼りがいがあったり、情けなくてかわいかったりします。
勇気を出して初めてお見合いパーティーに参加しても、うまくいかなかったり。
もともと書いているのが漫画家さんだからなのか、テンポが良いからなのか、文章を読んでいても映像が浮かぶのが不思議です。
白馬に乗った王子様は女性誰もが思い描く夢ではないでしょうか。
いつかきっとすてきな人が現れる!
現実はそうではないんだろうなと思いつつ、やっぱり憧れてしまいます。
本気で信じている事を誰にも言えない美月のことも、他人事ではないような気になってきます。
最後までサクサク読めて面白い、読み終わったあとはちょっと笑顔になれる、そんなお話でした。
秋の夜長にオススメの1冊です。
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