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・今回は28日から映画公開される『プリンセス・トヨトミ』の原作本についてご紹介。
・著者、万城目学さんは本作と『鹿男あをによし』『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』で
3回直木賞候補にもなっている、今注目の書き手。
その作風は一言で言えば「ホラ話」。そう、愉快なホラ話。
奇想天外なアイデアと勢いのあるストーリーが魅力です。
「作り話が巧い」というのは作家さんにとって褒め言葉、と思うのであえて言います、万城目さんは嘘つきだ!と。
・さて、『プリンセス・トヨトミ』ですが、冒頭いきなりこうあります。「5月末日、大阪が全停止した」と。
さてなにが起きたのか、その物語の始動は2つ、10日遡ったところから始まるとのこと。
・1つ目の視点は「会計検査院」なる機関の3人組。
この機関は明治2年より130年もの歳月を数え、内閣からも独立し、
国の予算が使われる機関や法人の会計状況を検査する、
なんていうウソがもっともらしく語られています(笑)
切れ者で「鬼」の異名を持つ松平、
おっちょこちょいだがここぞという時に「あたり」を引く「ミラクル」鳥居、
モデルのような長身で「プリンセス」と呼ばれる旭・ゲーンズブルー。
今回の検査先は大阪。
・2つ目の視点は、うってかわって大阪の子どもたち。
女の子になりたい、という願いを持つ真田大輔とその幼馴染である橋場茶子。
ついに学校に念願のスカート姿で大輔が登校する…という顛末から始まります。
ちなみに彼らが住んでいるのは大阪の下町の商店街、その雰囲気がよくでています。
・さて、検査院の3人は大阪で検査を進めるうちに妙な社団法人を発見します。
社団法人OJO(何を表しているかは読んでお確かめください)。
これを怪しいとにらんだ彼らは検査に赴く。ミラクル鳥居の活躍もあって、その代表に会うことに。
その代表とは、真田幸一、真田大輔の父親であった ――。
・検査院の来訪という事態に対し、大阪の男たちが団結して立ち上がります。
彼らはとある秘密を代々伝えており、まさに今が団結すべき時。
大輔も例外にはならず、その動きに巻き込まれてゆきます。
こうして交わった2つの視点、そして大阪のとんでもない秘密。さて決着はどうなるか。
・なお、著者最新作も4月下旬に発売したばかり。
タイトルは『偉大なる、しゅららぼん』(集英社)。
ホラ話をさらに楽しみたい人はこちらもぜひどうぞ。
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