PROGRAM

 
2011/03/07 (月)
  • 3月7日の本

  • 紀伊國屋書店 富山店 朝加昌良さん

3月7日のキノコレ[【終了】grace]


 3月7日の 『キノコレ』     

「キノコレ」は、毎月・第1&第3月曜の13:45〜『grace』の中でお送りしています。

今週は、紀伊國屋書店富山店 係長 朝加昌良さんのオススメ本です!


ご存知ですか?エスカレータ周辺の様々なコーナー

当店は基本的にはジャンルに従って区分し書籍を置いていますが、
店内中央のエスカレータ周りでは様々なジャンルのコーナーがあるのをご存知でしょうか?

例えば「キノベス」コーナーでは過去のキノベス作品を置き、その当時の冊子も読めるようにしてあります。

「書評」コーナーでは毎週日曜日に北日本新聞に掲載される書評にて紹介された本が置いてあります。

他にもNHKドラマ「江」のコーナーを作り小説や解説本を置いたり、東野圭吾のコーナーを作ったり、
また出版社のフェアも随時行っております
(ちなみに今行っている「たちばな出版」のフェアではキティのうどんがついてきます)。

そんな一画に、私、朝加がこっそりおすすめする文庫のエリアもあります。
そこでは話題作に限らず、読んで面白かったなと思える本を展開しております。
また毎月作成している文庫案内「てのひら通信」の配布も行っておりますので、
ぜひご活用いただければと思います。

今日紹介する本はそのコーナーに置いている本の1冊です。

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 『シグナル』関口尚(せきぐちひさし) 幻冬舎文庫
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・3月・4月は期の変わり目、新たな生活を迎える、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 この本の主人公も新たな生活を迎えます。

・主人公は大学を休学し、帰郷している青年、恵介。
 時給1500円という金額に引かれて、映画館技師の助手のバイトを始めることに。
 しかしそこの映画技師は、映写室に暮らし、外には一歩も出ないという生活をしていた。
 その技師はルカという女性で、またバイトをするにあたり、彼女に関する変わった3つの条件を出される。
 それは、

 1 ルカの過去について質問してはいけない
 2 ルカは月曜日になると神経質になるからそっとしておくこと
 3 ルカとの恋愛は禁止

 なんともミステリアス、これらは一体どういう意味があるのか?

・ストーリーはこれらの謎を抱えたルカと向き合うことを中心に書かれていきますが、
 映画館技師という仕事の描写についても読ませます
(著者の経歴を見ると同様のアルバイトの経験があるようで、これが生きているといえるでしょう)。
 ミステリとしてよりむしろ、青春小説として味があります。

・そして、あらすじを言っていくと先程の謎の魅力が薄れていってしまうと思うので…あえて言いません。
 しかしながら、この小説のラスト・シーンの美しさは保証いたします。

・ちなみに著者の他の作品を見ると、心温まる作品を書かれる方だな、と感じます。
 映画化された『パコと魔法の絵本』(集英社文庫)などもあります。

 この作品も同様に映画化されればいいな、などと思いました。

 
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紀伊国屋書店富山店からのお知らせ
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◆紀伊国屋書店富山店   場所は、富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F   
  電話番号  076-491-7031   営業時間 10:00〜20:00  

・定休日 :3月はなし。

◎3月7日の放送は、ポッドキャストでもお聞きいただけます!

 

【終了】grace


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