★☆★★☆★ 1月4日の 『キノコレ』 ★☆★★☆★
「キノコレ」は、毎月・第1&第3月曜の13:45〜『grace』の中でお送りしています。
今週は、紀伊國屋書店富山店 係長 朝加昌良さんのオススメ本です!
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★ 『単純な脳、複雑な「私」』 池谷(いけがや)裕二、朝日出版社
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・今回は脳科学の本をご紹介。
キノベス9位でちょっとだけご紹介しました『単純な脳、複雑な「私」』(池谷(いけがや)裕二、朝日出版社)について。
・脳科学の本、といっても難しい本ではありません!
著者はれっきとした脳科学者でしっかりした内容ですが、本自体は高校生に向けて行った講義を元にしています。
話し言葉で書かれ、時には雑談も入るし、本当に講義に参加しているように読めてしまいます。
・脳の働きと自分の意思について、あるいは脳と進化・・・科学だけでなく心理学や哲学にも関係するのが脳の面白いところです。
具体的な例や面白い視覚効果の図なども本に入っており、読んでなるほど、の連続です。
・例をあげると・・・
「人の顔の判断は向かって左側を元にされる」つまり、自分の顔で言えば右側ですね。
例では男性の顔と女性の顔を半分ずつにして合成した顔が出ています(p45)。
片方は左側に男性の顔、もう片方はそれを反転させただけのもの、つまり左側に女性の顔がきているのですが、
これをそれぞれ見せると左側の印象でその写真が男性か女性かをきめてしまうことが多いとか。
著者はこのため時間がないときはお化粧でも自分の右半分をとりあえず重点的に仕上げればいいという。
ちなみにこの見え方は有名な「モナリザ」の絵でも効果的に使われているとか。
モナリザの絵、そういえば微笑んでいるのは口の片方だけなのですが・・・どっちだったか思い出してみてください。
「脳は何かをしようとする前には活動を始めている」例えば右手を上げる、という動作を考えて実際に手を上げるとします。
この場合動かそうと思って脳が準備し、指令が出て、最後に動いた・・・と考えがちですね。
しかし実際は動かそう、と思うより先に脳は準備を始めているという。
だから脳をもし見ることができるなら、この人が次に何をするか先にわかっちゃうんだそうです。
さらに、動いた、と感じるのも実は指令が出るよりも先で、実際は脳が動いたと感じてから指令が出ているとか。
こうなると脳の動きに自分が左右されているみたいで、なにやら不思議な気持ちになります。
・一つ一つの動作は解明されていても全体としてはまだまだ謎の多い脳の働き、ちょっと気にしてみてはいかがですか?
脳のことを考える脳、というのもまた不思議なものではありますが、でも知的好奇心がくすぐられる、脳のためにもよい1冊だと思います。
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★紀伊国屋書店富山店からのお知らせ★
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中村佑介さんトークショー&サイン会
2/6(土)13:00よりトークショー、14:00よりサイン会。
画集『Blue』ご購入の方、先着50名で、サイン会は整理券の番号で2部に分かれて開催されます。
サインは為書きあり、イラストつき。とてもファンのためを思ってくださってます!
◆紀伊国屋書店富山店 場所は、富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号 076-491-7031 営業時間 10:00〜20:00
※1月定休日は27日。
◎1月4日の放送は、ポッドキャストでもお聞きいただけます!