22・23 雨の季節にオススメの2冊
2009年6月1日
今日の「キノコレ」で紹介する本を私も読みました!
詳しくは今日の13:45ごろからお送りする「キノコレ」を聴いてね♪
放送後、graceのHPに、紀伊国屋書店富山店の朝加さんの推薦文が載ります。
さらに、FMとやまのHP上でポッドキャストでもお聞きいただけますので、
是非、トリプルで楽しんでください。
ですので、私からは、軽くご紹介します。
◆『雨恋 松尾由美』
6月は梅雨。雨の季節です。
その「雨」がキーワードのお話です。
このお話には幽霊が出てきます。
私は幽霊が苦手です。
いや、みんな苦手か・・・。(笑)
なので、最初、朝加さんから、この本を薦められた時、
うっ。どうしよう。と思ったのが、正直な感想でした。
だって、一人暮らしの30歳の男性のお部屋に突然現れた女性の幽霊のお話ですよ。
性別は違えど、私と状況がかぶるじゃないですか!
おそるおそるページをめくってみると、
出てきましたよ、幽霊が!
主人公の男性とまるで同じ反応の自分に、ちょっと可笑しさを感じつつ、
こわいもの見たさでついつい読みすすめてしまいました。
どうやら、その幽霊の女性は、その部屋で自殺したことになっているのだけど、
実は、誰かに殺された。だから、犯人を探して欲しい。
とのこと。
そこで、いたって普通のその主人公の男性が犯人探しをしていく・・・というお話です。
しかも、その幽霊は「雨の日」にしか出てこないのです。
他にも幽霊が幽霊でいられるための条件がありますが、それについては、本を読んでね。
そうそう、タイトルの「雨恋」は、「あめこい」ではなく「あまごい」と読みます。
その理由も本で確かめてね!
タイトルにも「恋」という言葉が入っていますが、
実は、この男性、幽霊の女性に恋をしてしまうんですね〜。
その恋の行方は!?
雨、幽霊、殺人と、単語だけを並べたら、かなりじと〜っと重い雰囲気になりそうですが、
どちらかというと、透明感があって、優しくて、軽いタッチの雰囲気です。
お部屋の中でネコがじゃれている様子なども、なんかいい感じだし。
そういえば、最初は、幽霊がこわくて、気合を入れて読み始めましたが、
はっと気付いた時には、そんな感情はすっかり忘れていました。
雨音をBGMに是非読んでみてください。
◆『邪馬台国はどこですか? 鯨統一郎(くじら・とういちろう)』
前書きに「この作品がフィクションであるという保証はどこにもありません」とありました。
この本を読み終えて感じたのは、まず、この1文が書かれていてよかったということ。
だって、本当か嘘かわからず読むものほど気持ち悪いものは無いじゃないですか。
でも、どちらかわからないけれど、本当かもな、という状態で読むのは、
夢がふくらんでとても楽しいものです。
一言で言うなら、私、この本、好きです。一瞬にしてひき込まれました。
そこは、とあるバー。
バーテンダーの松永、
客の、某私立大学文学部の三谷教授(専攻は日本古代史)、
同じ大学の文学部助手の静香(専攻は世界史)、
そして、歴史に詳しい一般人の宮田。
基本的に、登場人物は、この4人です。
そのバーで、宮田が、毎回、突拍子も無い歴史の新しい解釈を持ち出すところから、
物語はスタートします。
・聖徳太子の正体は?
・邪馬台国はどこか?
・明治維新が起きたのはなぜか?
など、全部で6編が収録された連作短編集です。
宮田の解釈によると、私がいままで歴史の授業で習った様々なことが、
全て嘘になってしまうのです。
しかも、宮田の説明は、説得力があって、本当にそう思えてくる。
というか、そうとしか思えなくなります。
宮田の言うところの邪馬台国の本当の場所に関しては、
実際に行って確かめたくなりましたもん。
そういえば「富山」についても、書かれていましたよ。
読んでいてこんなにワクワクする本に出会えたのは久しぶりかも!
いまは、姉妹編の「新・世界の七不思議」が読みたくてたまりません。
またきっと、誰も想像していない新解釈を論じているんだろうなぁ。
そうそう、毎回登場するバーの食べ物がとても美味しそうなのも魅力的でした。
この本を読んだ後は、宮田と同じようにバーでウンチクを語りたくなるかも!?
ということで、今日は2冊の本をご紹介しました。
「私からは『軽く』・・・」と言っておきながら、結局、長くなってしまいました(笑)。
失礼しました!
今日も最後まで読んでくださってありがとう!