6『風が強く吹いている』
2009年2月22日
スポーツの生み出す感動は、
全ての人が同じ瞬間に感動を味わえるところにあるように思います。
選手も監督もお客さんも、全ての人が平等に、同じタイミングで結果を知る。
これって、すごいことですよね。
最後まで誰も結果がわからないから興奮するし感動も大きい。
そのスポーツの感動を本によって味わいました。
厳密に言えば、本なので生のスポーツの感動とはまた違うのですが(笑)、
私には、生でスポーツ観戦をしているのと同じくらい、
いや、それ以上に感動したかも!
本をめくる手に力が入り、手に汗がじんわりと広がり、
先を先を知りたくて、文字をものすごいスピードで追うのだけど、思うように進まない。
焦るな、自分。
ペースを守れ。
思わず、手首の時計をちらっ。
私は、走っていました。(あ、もちろん妄想です)
前置きが長くなりました(笑)。
何の話をしているのかというと、
舞台化もされた、三浦しをんさんの小説『風が強く吹いている』を読んだのです。
1月の富山公演を見に行き、その世界観にはまった私は、早速、本を購入。
しかし、買ったことで安心し、すっかり読むのを忘れていたのでした(笑)。
そして、今日やっと読みました〜。
うううっ。青春最高!泣けるぜ、箱根駅伝!!!
とてもコンパクトにまとめれば、
陸上経験者2人(厳密には3人)が、
他の未経験者8人(厳密には7人)とともに、
箱根駅伝に挑む!という青春小説です。
主人公ではない人たちのことも丁寧に描いていて、
作者の、メンバー10人に対する愛情が感じられました。
皆、一人一人がそれぞれの悩みを抱え、箱根を目指していきます。
しかし、ほぼ素人集団の彼らが、箱根を目指すことは、そう簡単ではないわけで・・・。
彼らの前にはだかるいくつもの壁。
その壁をなんとか乗り越えながら、前に進んでいくメンバーたち。
「走る」行為は、1人ですが、
「駅伝」は、皆で行う競技です。
走ることによって、もちろん、他の人と戦うこともしているのですが、
と同時に、皆、自分自身と闘っている。
「速さ」ではなく「強さ」を求めて・・・。
実際に、一人一人が走るシーンは、
それぞれが、頭の中で考えていることが、文字になっています。
景色、温度、息づかいまでが鮮明に感じられ、そして、目の前に見えました。
過去に何度も箱根駅伝は見ているけれど、
こんなに人の気持ちに寄り添った見方をしたことはありませんでした。
そう。
私は、本を読んでいる感覚が一切ありませんでした。
すっかり気分はお正月。
テレビにかじりついている視聴者でした。
しかも、友達や家族が出ているのを応援している気分。
ストーリーだけではなく、箱根駅伝の裏側が色々描かれているのも面白かったです。
来年、箱根駅伝を見るときは、いつも以上に、涙まみれの観戦になりそうです。
青春時代をもう一度味わいたい方、
自分自身にカツを入れたい方、
とにかくスッキリしたい方、
感動で泣きたい〜という方、
ぜひ、どうぞ♪
そうそう、この秋には、映画化も決定しているそうです。
こちらも楽しみだわ〜。
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