『流浪の月』
2020年4月22日
本を選ぶ基準は様々ありますが、
こちらを参考になさっている方も多いのでは?
本屋大賞
「本屋大賞」は、書店員の投票で決定するもので、
過去一年の間、書店員自身が自分で読んで
「面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」
と思った本を選び投票しています。
つまり、本屋大賞の受賞作は、全国の書店員が今一番売りたい本ということです。
大賞受賞作は毎年話題になり、映像化もされています。
ちなみに、去年は瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』、
2018年は辻村深月さんの『かがみの孤城』、
2017年は映画化もされた恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』でした。
そして、4月7日に発表された今年の大賞受賞作は、
『流浪の月/凪良ゆう〈東京創元社〉』
でした。
私も早速読んでみたのですが、すぐに作品の世界に没頭。夢中で読み進めました。
また、読み終えた後も登場人物たちのことを考えてしまいました。
もはや登場人物たちが他人では無い感じなのです。
これはこれまでの受賞作にも当てはまります。
いい作品は、ずっと心に居座り続けるのですよね。
***
物語は、自由でキラキラした幸せいっぱいの家族の姿から始まります。
小学生の少女は、家族3人で幸せな生活を送っていました。
ところが、父が病気で亡くなったことから物語は一転。
少女は親戚の家に引き取られるのですが、
そこでの生活は心身ともに辛いものでした。
そんなある日、公園で大学生の青年に声をかけられ、
少女はついていきます。
ここまで紹介すると、ほとんどの人は、
このあと少女がさらに不幸になることを予想すると思います。
でも。
実際は、少女は青年との暮らしに安らぎを感じていました。
しかし、そんな生活も長くは続きません。
あっという間に世間にばれ、
二人は事件の被害者、加害者として引き離されてしまいます。
それから15年経ち、二人は再会。
どんどん接近していきます。
そして、少女はこう思います。
「あなたとともにいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。
それでも、わたしはあなたのそばにいたい」と。
事件の被害者になった彼女は、世間から心配され、優しくされます。
その一方で、青年はずっと悪い人の印象のままです。
彼女がどんなに「彼は悪くない」と伝えても誰もわかってくれません。
彼女は、自分の言葉は人には伝わらず、
勝手に別の意味に解釈されてしまうと落胆します。
でも、私ですら本のページをめくりながら、
ずっと青年を疑いの目で見ていました。
少女の目から見るといい人そうに見えるけど、本当はどうなのよ?と。
果たして青年の本心とは?
また、再会した二人はその後どうなるのか?
気になる方は、ぜひ本のページをめくってみてください♪
頭からずっとコロナが消えない日々ですが、
この本を読んでいる時は忘れることができました。
何かに夢中になる時間って大事ですね。
また、この本を読んで、
私たちは人の話を自分が思っているより聞けていないのかもしれない、
とも思いました。
あなたも人の話を遮ったり、都合よく解釈したり、決めつけたりしていませんか?
特にお子さんの話を聞くとき、そういう傾向になりやすいかなと。
あなたはちゃんと人の話を聞けているでしょうか。
今日は、先日発表された本屋大賞受賞作
凪良ゆうさんの『流浪の月』をご紹介しました。
本屋大賞の公式サイトには、
大賞のほか、10位までの作品が掲載されています。
私は10作品中6作品を読んでいますが、
どれもそれぞれ面白かったですよー。
大賞受賞作と合わせてお読みください。
◎本屋大賞の公式サイトは コチラ
なお、来週のユキコレは、今年の本屋大賞2位の
小川糸さんの『ライオンのおやつ(ポプラ社)』
をご紹介します。
すでにお読みの方はぜひ感想をお寄せください。
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