ストロベリーライフ
2016年10月19日
今日のキノコレ(grace内コーナー13時45分頃オンエアー)でご紹介する本は、
7月に『海の見える理髪店』で直木賞を受賞した
荻原浩(おぎわら・ひろし)さんの新作です。
その名も『ストロベリーライフ(毎日新聞出版)』。
『海の見える理髪店』は、今年5月にラジオでも紹介しました。
とてもあたたかくいい本でした。
まだお読みでない方は是非!
★ 『海の見える理髪店』の私の感想は コチラ
新作の『ストロベリーライフ』について、
紀伊國屋書店富山店の奥野さんが紹介文を書いています。
★ 奥野さんの紹介文は コチラ
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私も『ストロベリーライフ』を読みましたので、軽く感想を。
ストロベリーライフというと、
イチゴのように甘酸っぱい恋愛物語?
と思ってしまいそうですが、
例えではなく、そのままの意味です。
実家がイチゴ農家という36歳の男性の物語です。
ただ、彼は実家の農家は手伝わず、東京でデザイナーの仕事をしています。
でも、デザイナーの仕事もいまひとつぱっとしないのですが。
そんなある日、実家の父が倒れたという連絡があり、
急きょ静岡の実家に帰ることになります。
母から、これを機にイチゴ農家を継いでほしいと言われたものの、
妻は猛反対。
でも、父は病院にいるから誰かが手伝わなければ…。
ということで、入院中の父にかわって、
しばらくの間、実家のイチゴ農家を手伝うことになります。
ところが、最初はちょっとだけ手伝うつもりが、
もっとこうしたらいいんじゃないか?
というアイデアまで浮かんでくるほど、
気付いたらイチゴ農家の仕事に没頭してしまいます。
そんな彼に妻もあきれ…。
志半ばのデザイナーの仕事はどうするのか?夢を諦めるのか。
それとも実家を捨てるのか。
果たして彼はどちらを選ぶのか?
続きは本で♪
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この本、とっても面白かったです!
最後のページまでノンストップで読み続けました。
お仕事小説としても家族小説としても楽しめました。
この主人公の彼、4人きょうだいの末っ子なんです。
姉3人に彼という4人です。
これ、私と一緒なんです。ちなみに私は長女です。
この本を読みながら、年の離れた私の弟も
主人公の彼のような悩みを抱えていたのかもな、
と急に子どもの頃の弟に対してごめん…と反省。
と言いつつも、きょうだい同士のやりとりに
いちいちニヤニヤしてしまいましたが。
この本、弟にも読ませたいな。
そして感想を聞いてみたい。
また、この本はお仕事小説としても素晴らしかったです。
本を読み終えたとき、よしっ、私もがんばるぞー!
と鼻息荒くなっていましたもの。
仕事をする上で大切なことに、たくさん気づかされた一冊でした。
やはりお仕事小説は面白いっ!
あ、それから、イチゴも食べたくなりました。(笑)