陸王
2016年8月3日
今日のキノコレ(grace内コーナー13:45頃〜オンエアー)で
紀伊國屋書店富山店の奥野さんにご紹介いただく本はこちら。
『陸王(りくおう)/池井戸潤』
まずは、奥野さんの紹介文をお読みください。
◎奥野さんの紹介文は コチラ
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私もこの陸王を読みましたので軽く感想を。
池井戸潤さんと言いますと、
半沢直樹シリーズの他、『下町ロケット』や『ルーズヴェルト・ゲーム』など
原作は次々にドラマ化され、そしてヒットしています。
ちなみに私が池井戸作品で好きなのは、
総理と大学生の息子が入れ替わってしまう『民王』です。
こちらもドラマ化されました。
シリアスな作品が多い中で、
この『民王』は、コミカルで笑いが止まりませんでした。
今回の新作『陸王』も「王」がついていたので、
もしや民王と同じくコミカル作品?と思いましたが、
こちらは、おなじみ企業が舞台の作品でした。
池井戸作品の企業ものは、
「池井戸スタイル」がすっかり出来上がっていますよね。
まるで長編の水戸黄門のようです。
あ、これ、否定しているわけではないですよ!
そのスタイルが私は心地よくて好きです。
今回も何度も涙しました。
なんでこんなに邪魔が入るのよー!
とイライラした後にやってくる感動の涙。
しかもそれが何度もやってきます。
涙がかわいたと思ったらまた涙で、
読み終えたとき、心がすっきりしていました。
目は腫れていましたが…(笑)。
こんなにいい涙を流し続けたのは久しぶりでした。
私はこの本を家で一人で読んでいましたので思う存分泣けましたが、
電車の中やカフェで読んでいたら危なかったと思います。
きっと「この人号泣しているけど…大丈夫?」と思われていたに違いありません。(笑)
そうそう、今回の『陸王』は、『ルーズヴェルト・ゲーム』に近いように感じました。
『ルーズヴェルト・ゲーム』は社会人野球のお話でしたが、
今回は企業の陸上選手が出てきます。
足袋作りの老舗がランニングシューズに挑むお話と
大学時代に活躍したものの、その後伸び悩む陸上選手のお話が交互に描かれていきます。
毎年お正月に群馬で行われるニューイヤー駅伝も描かれているのですが、
私の実家のすぐそばを走るので、私もこれまで何度も応援に行っています。
そのため、作品を読みながらその空気感がよくわかり、
途中から本を読んでいる感覚はありませんでした。
まるでその場にいるような感じで。
駅伝のシーンのあと、ハッと我に返ったほどでしたもの。
あ、そうか。今、本を読んでいたんだった、と。
それほど熱中させられた作品でした。
***
それから、池井戸作品の企業小説を読むたび、
私は自分の器の小ささや甘さを認め、反省しています。
仕事関連のビジネス書や名言集を読むより
池井戸作品を読んだほうが私は心に響きます。
理不尽なことがあったとき、
嫌がらせをされたとき、
どうしたらいいのか。
この本には学ぶべき対応がたくさん出てきました。
読んでよかった。
やはり池井戸さんはすごいなあ。
『陸王』も間違いなくドラマ化されるんだろうな。
というかされてほしい!
はやく映像化された『陸王』も見てみたいな。