アンソロジー 捨てる
2015年12月9日
今年も1ヶ月を切りました。
早速大掃除を始めた方もいらっしゃるかもしれませんね。
また、綺麗にするだけでなく、
いらないものを捨てたいと思っている方もいらっしゃると思います。
あなたが今捨てたいものは何でしょうか?
人によって捨てたいものは様々だと思いますが、
今日は、そんな「捨てる」をテーマに書かれた短編集をご紹介します。
その名も『アンソロジー 捨てる(文藝春秋)』。
人気女性作家9名が「捨てる」をテーマに書いた書下ろし短編集です。
9名の作家さんは、以下の皆様です。
大崎梢(おおさき・こずえ)さん
近藤史恵(こんどう・ふみえ)さん
篠田真由美(しのだ・まゆみ)さん
柴田よしき(しばた・よしき)さん
永嶋恵美(ながしま・えみ)さん
新津きよみ(にいつ・きよみ)さん
福田和代(ふくだ・かずよ)さん
松村比呂美(まつむら・ひろみ)さん
光原百合(みつはら・ゆり)さん
知っている作家さんもいらっしゃれば、
初めてお名前を見る方もいらっしゃるでしょうか。
アンソロジーは、これまで知らなかった初めての作家さんの作品を知る
いいきっかけになります。
おなじみの作家さんの作品だけでなく、
色々な方の本を読んでみたいという方には、
アンソロジーはオススメです。
『アンソロジー 捨てる』も「捨てる」がテーマでしたが、
どれも全く異なるお話で面白かったです。
また、お得感もありました。
ジャンルも恋愛小説、家族小説、ミステリー、ファンタジー、さらにホラーまであり、
本の扉を開ける度に、今度はどこに連れて行ってくれるのかしら?
とわくわく感が止まりませんでした。
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たとえば、永嶋恵美さんの『ババ抜き』は、
「三ババ」と呼ばれる職場の妙齢の女性3人が、
会社の保養所でババ抜きならぬジジ抜きをしながら
負けたら罰ゲームとして秘密をばらしていくという物語。
秘密がバラされていくたびに、思いもよらない事実が明らかになります。
短編なのにかなりインパクトのある作品でした。
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こちらも衝撃が強かったです。
光原百合さんの『戻る人形』。
別れた女性が作った手作りのお人形を何度捨てても
なぜか部屋に戻ってきてしまうという、タイトル通りのお話です。
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あ、これでは、こわい話ばかりのようですね(笑)。
そんなことないですよー。
ほっとするようなものやニヤニヤしてしまうものもあります。
師走は忙しくて本を読む暇なんてない!
などと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
こういう時期こそ短編集はオススメです。
寝る前などに毎日1編ずつ読んでみては?