村上海賊の娘
2014年4月9日
昨夜、「本屋大賞」が発表されました。
「本屋大賞」とは、過去一年の間、書店員自身が自分で読んで
「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」
と思った本を選び投票するものです。
つまり、選ばれた本は、本を愛する書店員の皆さんが、
是非読んで!と心から思っているということです。
◎ 本屋大賞のHPは コチラ
ノミネート10作品の中から大賞に選ばれたのは・・・
和田竜さんの
『村上海賊の娘』
でした。
おめでとうございます!!
まるで結果を知っていたかのようですが(笑)、
今日のユキコレ(grace内コーナー13時45分頃〜オンエアー)でご紹介する本も
『村上海賊の娘(上・下)』
です。
もちろん、事前に結果は全く知りませんでしたよ!
決まりそうだなあとは思っていましたが。(笑)
この本は、上下巻合わせて約75万部のベストセラーとなっていますので、
すでにお読みの方もいらっしゃると思います。
そんな方は是非grace宛に感想をお寄せください。
・・・
『村上海賊の娘』は、映画化もされた『のぼうの城』の和田竜さんの新作です。
上・下巻合わせてなんと約1000ページ!
どっぷり本の世界に浸かれます。
読んでいると映像が見えてきます。
まるで映画を見ているような、漫画を読んでいるような感じです。
漫画と言えば、比較せずにはいられないのが漫画『ワンピース』。
・海賊たちの合戦
・キャラの濃い登場人物たち
・仲間想いの主人公。
など。
まあ、あくまでも私の印象ですが。
・・・
簡単にストーリーをご紹介しましょう。
『村上海賊の娘』は、16世紀後半の村上水軍が題材の歴史小説です。
織田信長が西に勢力を伸ばそうとしていた頃のお話です。
信長は西国の押さえにと大坂本願寺の地を欲しがるものの思うようにいかず、
7年にわたって和睦と戦を繰り返しています。
しかし、ついに和睦が崩れ、大坂本願寺は籠城することになります。
信長に次々に砦を抑えられた今、残る支援のルートは海路のみ。
そこで大坂本願寺を救うために動いたのが、毛利家とつながりのある村上海賊です。
物語の主人公は、「海賊王」村上武吉(たけよし)の娘、景(きょう)。
景は現在ならきっとモデルのような見た目のスタイル抜群の美女なのですが、
当時は逆の印象を持たれています。
また、ただでさえ見た目が美しくないのに、男勝りで自由奔放。
欲望のままに生きているため、嫁の貰い手もいません。
(あらら、後半部分はなんだか他人事に感じられないような…笑)
そんな景が様々な人と関わったり、
憧れていた本物の戦を見たりしながら、
成長していく物語です。
と同時に男たちの物語でもあります。
個性豊かな男たちが大勢登場します。
人数が多ければ多いほど、誰が誰だかわからなくなりそうですが、
この作品は、それぞれのキャラが濃すぎるため判別できます。
豪快な男たちが多く、すかっとします。
もちろん、ずるい男もいるのだけど、憎めません。
合戦のお話なので、決して明るいだけではないのですが、
物語はとてもいきいきとしていています。
会話のテンポもよくすいすい読めます。
合戦シーンがわかりやすいのも魅力の一つです。
まるで自分も一緒にその場にいるかのような感覚になるほどです。
海での合戦シーンは、海に飛び込むバッシャーンという音や水しぶきまで感じられました。
とにかく魅力満載ですので、
1000ページといっても、きっと最後まで飽きることなく楽しめると思います!
また、読んだ人同士で、
「登場人物の中では誰が好き?」
なんて話で盛り上がれそうです。
ちなみに、私は景の弟の景親(かげちか)が好きです♪