ジャズのある風景
2013年9月11日
今日のユキコレ(13:45頃オンエアー)でご紹介するのは、
先月発売された山中千尋さんの初のエッセイ
『ジャズのある風景(晶文社)』。
山中千尋さんは、ニューヨーク在住のジャズピアニスト。
日本をはじめ世界各地で精力的に演奏活動を続けていらっしゃいます。
また富山でももう何度もライブを重ね、
来週の火曜にも再び富山でライブを行います。
ライブは、富山駅前のオルビスで19時からなのですが、
すでにチケットはソールドアウト。
残念ながら当日券の販売も無いそうです。
無事チケットをお求めになった方は、
先月、8月14日に発売されたニューアルバム「モルト・カンタービレ」
を聴きこんでいらっしゃることと思います。
私も山中さんのエッセイを読みながら、
また、今感想を書きながらアルバムを聴いております。
ただ、山中さんのピアノがあまりにも軽やかで
文字を打つ私のブラインドタッチも調子に乗って同じリズムになり、
おかげで誤字脱字だらけになり、打ち直してばかり。
ピアノもひけないのに真似るからこんなことになるのです。(笑)
さて、今回のアルバム「モルト・カンタービレ」は、
クラシックの名曲が山中さんによってジャズに生まれ変わっています。
楽しく、美しく。
たとえば『トルコ行進曲』や『エリーゼのために』などが収録されています。
おなじみの曲が、どのようにアレンジされているのかは、
是非CDを1枚通して聴いてみてね♪
***
さて、山中さんといいますと、
ラジオパーソナリティーとしても活動されています。
FMとやまでは、
毎週月〜金曜の17:45〜18:00に
『山中千尋 いつだって T-TIME』
という番組を放送しています。
音楽やニューヨークでの暮らしに関するお話のほか、
リスナーの皆さんからの質問などにもお答えになっています。
そのラジオを聴いているだけでも山中さんの幅の広さを感じますが、
先月発売されたエッセイを読むと、さらに実感。
ジャズに精通されているのはもちろん、
現代アートがお好きだったり、
かと思えば、日本の歴史や文学にもお詳しかったりします。
また、言葉遣いも美しく、品のある言葉が並んでいます。
なんて書くと、とてもオカタイエッセイか?と思われそうですが、
いやいや、とても面白い。
今、某ドラマの影響で「10倍返しだ!」という言葉が流行り、
様々なところで耳にしますが、山中さんこそ、闘いの人です。
自分というものをしっかりとお持ちの方ですので、
違うと思えば、包み隠さずはっきりと「違う!」とおっしゃいます。
潔い方です。
堂々と自分の意見を述べる、その姿のなんてかっこいいことよ。
かと思えばおっちょこちょいなところもあり、そこがまたキュート。
寝坊話や聞き違いによる爆笑エピソードなども多く、ケラケラ笑いながら読みました。
一見、完璧な女性に見える山中さんですが、
でも色々やらかしています。(笑)
その分、人間味あふれる1冊となっています。
また、この本が一番面白い理由は、その独特な感性にあると思います。
たとえば、
・小学生のころ、短冊に書いた内容は「地球脱出」
・滞在先の近くでたまたま就職セミナーをしていたので、
もしかたらもっと自分に合った仕事があるかもしれないと行ってみる。
など。
しかもどのエピソードもこの話の続きが面白いので、
是非エッセイを読んでいただきたい!
私は山中さんのエッセイを読みながら、
子供のころ、私が一番好きだった本
『窓際のトットちゃん』
を思い出しました。
トットちゃん、懐かしいなあ。久しぶりに読んでみようかな。
話がずれました。
戻ります。
このエッセイには座右の銘にしたいような心に刺さる表現も多かったです。
いくつか挙げてみます。
・孤独、それは精神における究極の断捨離の別名
・「わからない」は理解の努力の放棄
このエッセイは、山中さんの、軽快でありながら、
想像もつかない驚きと感動で満ちている演奏と似ていました。
是非、山中さんの音楽をBGMに読んでみては?
いや、でも音楽好きの方なら、この本に出てくる様々な音楽も味わいたくなるかも。
とにかく、来週のライブに行く方は、
ライブの前にこのエッセイを先にお読みになってみてください。
きっともっと深くライブを楽しめると思いますよー。