楽園のカンヴァス
2012年3月14日
今日のユキコレ(『grace』内コーナー13:45頃〜オンエアー)
でご紹介するのは、アートミステリーです。
この本を私は松山に向かう飛行機の中、空の上で読みました。
これがとてもよかった。
この本を旅をしている最中に読んだことで、
旅も本もいずれもワクワク感が増しました。
本を読み終えた時、ちょうど機内アナウンスが入って、
思わず、マイクを奪って、いや、借りて(笑)、
機内にいる方たちに、私が感じているこの感動を伝えたい、と思った程でした。
誰かにこの思いを伝えたい!
と感じながら、やっと今日、ブログ&放送で伝えられるということで、
またまた興奮が復活してきました。(笑)
ふううはああ。(深呼吸)
っさて。
私の暑苦しい思いはこれくらいにして、
『楽園のカンヴァス』とは、どんな作品なのか簡単にご紹介しましょう。
ひと言で言うなら、絵画ミステリーです。
絵画ミステリーというと、
ダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』が有名ですが、
こちらは、もっと読みやすいです。(笑)
本の表紙には、アンリ・ルソーの名作「夢」がそのまま印刷されています。
この作品は、この絵がポイントです。
アンリ・ルソーが描いた名作『夢』が展示されているのは、
ニューヨーク近代美術館。
主人公は、そこで働く学芸員のティム・ブラウンと、
もうひとり、日本人ルソー研究者のオリエ・ハヤカワの2人。
そんな2人は、スイスに呼ばれ、ある絵の鑑定を頼まれます。
彼らが目にしたのは、アンリ・ルソーの『夢』に酷似した作品。
その名も『夢をみた』。
この作品が本物かどうか、1週間で鑑定してほしい。
さらに、鑑定の材料として、7章からなる物語を毎日1章ずつ読むことを命じられます。
それは、ルソーの物語でした。
ルソーが、どのような生活をし、絵を書き、
だれと交流していたのかが、綴られています。
ちなみに、ピカソも登場します。
毎日物語を読んでは、一体誰が書いた作品なのか、
そして、それは事実なのか、それともただの物語なのか、
絵画との関連性は?
など、あれこれ考えをめぐらしていきます。
果たして、『夢をみた』は、ホンモノのルノー作品なのか?
というお話です。
しかも、この『夢をみた』をこっそり狙っている人がたくさんいるのです。
色々な人が絡んでいくことで、物語がどんどん面白くなっていきます。
正直なことをお話すると、
アートミステリーというと、
私は絵のことはわからないから、
最初は、理解できるかなぁ、と実は少し心配だったのですが、
物語として大変わかりやすいですし、
絵画についての説明もちゃんとあるので、
難なく小説の世界に没頭できました。
ちなみに、この小説の一番の面白さは、
登場人物たちが、絵を心から愛していることだと思います。
あふれんばかりの愛が感じられます。
きっとそれは、著者の思いなんだと思います。
著者の原田マハさんは、実際にニューヨーク近代美術館で働いていたこともある、
絵画に関してはプロのお方です。
絵を知り尽くし、そして絵を愛している。
だから、気持ちよく読めるのだと思います。
また、この小説には、倉敷の大原美術館も登場します。
偶然にも来週私は、岡山に行くので、
大原美術館にも行ってみようと思います。
あ〜、今からワクワクする!!!
そうそう、最初に、私は、旅のお共にいいよ、と書きましたが、
旅に出られない方でも、この本を読んでいる時は、旅気分を味わえると思いますので、
きっと楽しめると思います♪
本のページをめくれば、
そこには、ワクワクする世界が待っていますよ。
ボン・ヴォヤージュ!(よい旅を)