30『ハタラクオトメ』
2011年6月8日
「その自慢話、あとどれくらい続きますか?」
「男は、言うほど働いていない」
「見栄、メンツ、根回し。なんで働く男は「仕事以外」で忙しいの?」
これらの言葉に思わず反応してしまった、
働く女性の皆さんにオススメの痛快お仕事小説があります。
ちなみに、これらの言葉は、私の言葉ではなく、
本の帯に書かれた言葉ですので、悪しからず!
映画化もされ話題になった『県庁の星』の著者、
桂 望実(かつら・のぞみ)さんの最新作です。
主人公は、身長157cm、体重100kgの「ごっつぁん」。
中堅時計メーカーに就職して5年のOLさんです。
ちなみに、このあだ名は、自ら、こう読んでほしいとお願いしたもので、
いじめられているわけではありません。
ごっつぁんは、皆から好かれる愛されキャラなのです。
そんなごっつぁんが、「女性だけのプロジェクトチーム」のリーダーをまかされます。
任務は、新製品の開発。
メンバーは、6人。全員女性。
部署はバラバラ。開発のプロは誰もいません。
『ハタラクオトメ』は、
モノづくりは素人の女性たちが、新製品を開発していく様が描かれています。
そして、その様が、とても面白いのです。
あぁ、こういう人、いる!いる!
と思わず、うなづきたくなってしまう男たちが次々に登場します。
彼らに対し、ごっつぁんたちは、
正面からぶつかっていくのではなく、
彼らのプライドを傷つけないように、
うまく「利用」していきます。
(本音では、くだらない!と思いながら。(笑))
私が読んでいて、思わず笑ってしまったのが、会議での様子。
お偉いさんたちは、すぐに何かとケチをつけ、
言うことが無くなると、過去の話(自慢話)を始める…。
そんな様子を目の当たりした、ごっつぁんたちは、
会議を重ねるうちに作戦を立てます。
きっと、あちらはこうくるから、私たちはこう答えようと。
まさに、その通りになるのですが、
そのたび、「また〜〜〜!(怒)」ではなく、
「ほい、きた」、「それも予想通り!」と、楽しんでしまうのです。
そこが素晴らしい。
彼女たちの手にかかると、
男性たちが、なぜかとてもかわいく思えてくるから不思議です。(笑)
男性の上司や同僚に対して、「なんなの?」と怒りを常に感じている、
OLの皆さん、是非、一読を。
そうそう、女性がこの本を楽しめる理由はもうひとつあります。
それは、美味しそうなお菓子や料理がたくさん登場すること。
ごっつぁんの体が大きいのは、よく食べるからなのですが、
自ら食べるだけではなく、作るのも大好きで、
痩せた人をみると、自分の家に連れて行き、
手作りのご飯を食べさせたい!と思ってしまうほど。
また、仕事中も、お腹を満たすことばかりを考えており、
様々なお菓子が次々に登場し、それをとても美味しそうに食べるのです。
その食べっぷりも爽快!
『ハタラクオトメ』は、
梅雨を前に、すでに梅雨明けのような清々しさを味わえる1冊です。
それから!
男性の皆さんも、この本を読むことによって、
色々気付くことがあると思います。
楽しめるかどうかは・・・、
いや、楽しめるな。
ごっつぁんパワーに癒されると思いますよー。
ごっつぁ〜ん、素敵なひとときを、「ごっつぁん」でした♪