22『語感トレーニング』
2011年4月27日
私は、本を読むことが好きです。
今さら何?わかってるよ!
と思わず突っ込んだ方もいらっしゃるかもしれませんね。(笑)
私が本を好きな理由の1つは、
「素敵な表現に出会えるから」です。
おなじみの言葉でも、組み合わせ次第で、言葉がイキイキと輝き出します。
そんな言葉に出会うと、嬉しくなります。
作家は、ある意味では、料理人に近いのかもしれません。
たくさんある言葉の中から取捨選択をして文章を作ることは、
食材を選び料理を作ることと似ているように思いませんか?
料理人が、調味料ひとつにこだわるように、
作家も言葉にこだわります。
同じことを言うのでも、言葉が違えば、意味合いも少し変わります。
例えば、「母」のことを言う時。
お母さん、
おふくろ、
オカン、
ママなど。
呼び方で、印象も変わりますよね?
そういった「語感」を学べる本を、今日のユキコレ(13:45頃〜)でご紹介します。
中村 明(なかむら・あきら)さんの
「語感トレーニング—日本語のセンスをみがく55題」です。
4月20日に発売されたばかりです。
私は、紀伊國屋書店富山店で予約して購入しました。
この本は「本を読む」というより、
言葉を学ぶ「教科書」、いや「参考書」のような本です。
日本語の感触の違いを、
語感研究の第一人者である中村明さんがわかりやすく解説しています。
中村さんによれば、「正確なことば」とは、
「自分の気持ちにぴたりと合う、もっとも適切な表現」なんだとか。
この本は「語感トレーニング」というタイトル通り、
まず、Q&A形式で始まります。
例えば、こんな感じ。
「快調」「好調」「順調」
もっとも調子がいいのは?
さて、どれでしょう?
答えをお知りになりたい方は、是非、本を読んでみてください。
「語感」について学べるだけでなく、とても楽しく読めると思います。
この本では、語感を味わっていただくため、様々な言葉を例にあげているのですが、
そぐわない言葉を選んでしまった時のちぐはぐな感じや、
それに対する中村さんの冷静な突っ込みもおかしく、笑えます。
ブログやツイッターをされている方は、
参考に読んでみてはいかがでしょうか?
伝える内容は同じでも、使う言葉を変えるだけで、
伝わり方は大きく変わると思いますよ。
そういった意味では、ブログは「語感」を鍛えるには、
いいツールかもしれませんね。
でも、私はそんなに言葉を知らないし、できるかなあと思った方。
中村さんが、こんなことをおっしゃっています。
「すべては人をいたわる話し手の意識にかかっている」
語感にこだわりすぎて、「心」を込めるのを忘れませんように。
大切なのは「気持ち」です。