59 よそ見津々
2010年10月24日
映画化もされた『きょうのできごと』でもおなじみ、
柴崎友香(シバサキ・トモカ)さんのエッセイ、
その名も『よそ見津々(よそみしんしん)』を読みました。
実は私、『きょうのできごと』も含め、
彼女の本を読んだことはありません。たぶん…。
では、なぜ、この本を読んだのか?
それは、本のタイトルを見た瞬間、
読みたい!と思ってしまったからです。
まさに『よそ見津々』に興味津々でした。
…。
失礼!
ま、ジャケ買いみたいなものです。
エッセイは、それこそ、人よりたくさんよそ見をしていないと、
文章にならないと思うの。
ちょっと前までは、エッセイは好きではなかったけれど、最近、よく読んでいます。
というのも、うまい人のエッセイは、読んでいて勉強になるのです。
どのような視点で世の中をみつめ、
そこから話をどのように展開させ、
最終的にどこに持っていくか。
それも、絵文字などは使わずに、文字だけでどのように表現するのか。
それを学べるのが、プロのエッセイなのです。
最近、私も含め、様々な人がブログやメールなどで、
文章を作ったり読んだりしていますよね?
でも、本を読む人は増えない。
私はそれが不思議でなりません。
本には、自分には無い表現や視点があふれていて、
ブログを書く際の参考にもなるし、何より面白いのに!
普段、本を読まない人は、まずは、エッセイから読んでみると、入りやすいかもしれません。
ブログに近いものがあるから。
前置きが長くなりすぎました。
『よそ見津々』は、大阪生まれの柴崎さんが東京に住むにようになって感じたことや、
以前、旅したトルコの話、日々の生活の中で感じたことなどのほか、
書評や映画評も書かれています。
柴崎さんは、1973年生まれの女性です。
テレビ・木・カメラ・バス・地図・世界の旅番組が好きなものの、
面倒くさがり屋な上に心配性なので、
一人ふらっと旅に出ることはしません。というか出来ないそうです。
エッセイを読んでいると、
マイペースな生活を送っているように思いつつ、
ただボーっとしているだけではなく、
世の中の様々なものを独自の視点で見ていることがわかります。
その中で私がもっとも共感できたのが、
地球上をもっとたくさんの「木」でいっぱいにすればいいということ。
柴崎さんの言葉を借りれば、「どんどん緑に埋もれたらいい」ということ。
「埋もれたらいい」という表現、好きだなあ。
こういう素敵な表現に出会えるのが、たまらない!
私も昔から緑の中にいることは好きだったけれど、
この夏以降、豊かな緑や巨木を見る機会が多く、
そのたびに、木に癒されていたので、
柴崎さんの「木」トークは、とてもよくわかりました。
最近、パワースポットが流行りですが、
私は、巨木を見ているだけでも十分パワーをもらえるように思います。
ところで。
東京は、幹周りが3メートル以上の巨木の数が日本一なんですって。意外だ!
人のブログをぼーっと眺めている感覚であっという間に読めます。
普段、本を読まない人にもオススメです。
それにしても、「よそ見津々」って言葉の響き、好きだわ〜。
しばらくマイフェバリットワードになりそうです。