50『永遠の0(ゼロ)』
2010年9月20日
今日のキノコレ(13:45ごろ〜オンエアー)では、
今、話題の小説『永遠の0(ゼロ)』を取り上げます。
ご自身も大ファンという、紀伊國屋書店富山店の白山さんにご紹介いただきます。
★白山さんの紹介文は、こちらのサイトをみてね↓
http://www.fmtoyama.co.jp/program/program_info_1064.html
なんと、紀伊國屋書店富山店で、8月、9月ともっとも売れた文庫だったのか。
私も読んでみましたが、確かによかったです。
泣いて、泣いて、泣きました。
600ページ近くもある本の厚さに、読む前は、一瞬めげそうになりましたが、
読み始めたら止まりませんでした。
夜、読み始め、読み終えた時には明け方になっていました。
どれだけ集中して読んだことか…。
そして、読みながら、何度も涙がこぼれてきました。
私は集中すると、瞬きをしなくなります。
ただでさえドライアイの私は、読書中はかなり目が乾燥するのですが、
今回は、定期的に泣いていたので、あまり乾燥することはありませんでした。
簡単にストーリーをご紹介しましょう。
終戦から60年目の夏、人生の目標を失いかけていた26歳の健太郎は、
フリーライターの姉とともに、特攻で亡くなった祖父を調べることに。
日本全国にいる元戦友たちに会いに行き、生前の祖父の話を聞く2人。
祖父の口癖は、「生きて妻と子供のもとへ帰る」。
この小説は、そのほとんどが、元戦友たちの語りで成り立っており、
本を読む私たちも、健太郎とともに、戦争体験者の話を聞いているような気分になります。
何人もの戦友たちの話を聞くうちに、
祖父がどんな人間だったのか、徐々に明らかになります。
そして、最後に、ある驚愕の事実にたどり着きます。
生きることに執着していた祖父が、なぜ、特攻で亡くなったのか。
また、なぜ、祖父は生きたいと思っていたのか。
その理由が明らかになる度に、私は涙がこぼれました。
今は亡き、私の祖父も戦争で南方に行っています。
祖父は、私によく戦争のことを語っていました。
でも、子供の私は、あまりよくわからずに、遠い昔のこと…と思いながら話を聞いていました。
しかし、この本を読んで、戦時中の祖父のことを知りたくなりました。
早速、母に祖父のことを聞いてみたところ、
祖父は「自ら志願して戦争に行った」ということを知りました。
あの、穏やかだった祖父が、自ら?と衝撃を受けました。
祖父の書斎には、今もたくさんの戦争関連の書物や資料が遺されています。
もう祖父から直接、その思いを聞くことはできないけれど、
でも、祖父の遺した物の中から、祖父の思いを知りたい、と思いました。
今度、群馬に帰った時にでも、調べてみたいと思い、
母に、戦争関連のものは捨てずに取っておいてとお願いしておきました。
直に戦争を知る人が、どんどん少なくなっている今こそ、
一人でも多くの方に、この本を読んで、様々なことに気付いてほしいと思いました。
今日は、敬老の日ですが、
おいじちゃんやおばあちゃんのことを考える1冊としてもいいかもしれません。