47『ボクは坊さん。』
2010年8月30日
『ボクは坊さん。』という本を読みました。
最近、「お坊さん」たちが書いた本が人気になっているのだとか。
『ボクは坊さん。』は、
愛媛の栄福寺住職の白川密成(しらかわ・みっせい)さんのエッセイです。
現在、33歳。私と同世代です。
ゆる〜い雰囲気のお坊さんのイラストが印象的な本で、
お坊さんの手には、なぜか野球のバット(笑)。
実は、白川さんは、野球が好きなのです。
本の帯には
「24歳、突然、住職に。
仏教は「坊さん」だけが独占するには、あまりにもったいない!」
とあります。
本の内容に入る前に、出版社であるミシマ社について触れておきましょう。
紀伊國屋書店の朝加さんによると・・・
「全国の書店と直取引をしていて、本の案内もしっかりしているし、
無理に新刊を作ったりしない(そのため納得のいく本しか作らない)面白い会社」
なんだとか。
実際、本に織り込まれている「ミシマ社通信」も、アンケートハガキも、しおりも、
全て手書きで温かみがあり、丁寧に仕事をしているのが伝わってきます。
そんな、ゆるそうな雰囲気のミシマ社から出版された
『ボクは坊さん。』も、おなじようなニオイがしないわけはありません。
この本には、
著者である白川さんが坊さんになった理由や、
坊さんとして「仏教」をどのように捉え、伝えていきたいと思っているのか、
密成さんの心の内が、包み隠さず描かれています。
「仏教」を知らない読者の気持ちに寄り添うように、「仏教」を客観的視点で捉え、
でも、深く知っているからこその分析で、わかりやすく伝えています。
しかも、文章がまるで日記そのもので、そのつぶやき具合が、とても素直な反応で面白いのです。
以前、『サトラレ』という映画がありましたが、
まさに、お坊さん版の『サトラレ』と言う感じで、
そこまで本音を言っちゃってもいいの?というような、ことまで書かれていて、
読んでいて、親近感がわきます。
また、心をそっとくすぐるような「言葉」もところどころあって、勉強にもなります。
例えば、選択に迷った時は、
“自分で自分に「で、ハッピーなの?お前は、それで?」と聞いてみる”
というような一文。
シンプルだけれど、私の心には響きました。
ちなみに、文章は「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載されていたものがベースになっているそうです。
また、栄福寺ウェブサイト「山歌う」では、日々感じられたことをブログに綴っています。
このブログが、またとても面白い。
文章が巧いのです。
気になる方は、是非、そちらも読んでみてください!
今回、この本を読んで、
自分の思いに気づかないフリをするのではなく、もっと自分と対話をしていこうかな、
という気持ちになりました。
なんか、よくわからないけれど、
モヤモヤする日々を過ごしているなあ、
という方、よかったら読んでみてください♪