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46 『アルバトロスは羽ばたかない』

2010年8月23日

本を読み終えた時、
「だから、読書はやめられない!」と口に出しながら、
思わず、部屋で寝ころがって、
足をバタバタさせたくなってしまうような本に、
時々、出会います。

今回も、思いっきりバタつかせました。
「巧すぎるでしょ〜!うわー。やられたー」
と気持ちのいい裏切りに酔いしれながら、
パラパラ、今まで読んできたページをめくって、読みなおしながら、
数々の伏線に、へらへら苦笑い。

この本は、余分な紹介などせず、
とにかく読んで!の一言で終わらせたい。

それくらいに「巧さ」の光る本でした。

紀伊國屋書店富山店の朝加さんから、
是非!とすすめられ、読んでみたのですが、
確かに、これは、人にすすめたくなります。

私をそこまで興奮させた本、
それは、七河迦南(ナナカワ・カナン )さんの
『アルバトロスは羽ばたかない』です。
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このタイトルに加え、
制服を着た女の子のイラストが表紙なので、
見た目は、まるで、マンガのような雰囲気ですが、
読み応えありまくりの小説です。

本当は、まっさらな気持ちで読んでいただきたいので、
あまり紹介したくないのですが、
一応、軽くストーリーをご紹介しましょう。

舞台は、児童養護施設・七海学園。

学園の少年少女が通う高校の文化祭の日に、
校舎屋上から転落事件が起きます。

警察の見解は「不慮の事故」。

でも、この事件が起こる前、
春から秋にかけて学園内で起こった、4つの出来事が、
どうやら転落事件に関わっているらしく、
事件が起きた直後の「今」のお話と、
過去の4つの出来事が、交互に描かれ、
事件の真相にじわじわ迫っていきます。

季節ごとに分けられ書かれた過去の出来事は、
それぞれが単体としても面白く、読み応えがありました。

そして、ついに明らかになる事件の真相!

本を読み終えた私は、冒頭に書いたように
「だから、読書はやめられない!」と、思わず、口にしてしまいました。

面白さの理由を書いてしまうとネタバレになるので、あえて書きません。

でも、1つ言えるのは、
「この刺激を味わわないまま夏が終わってしまうなんて、もったいない〜!」
ということ、かな。

本を読んで、刺激を受け、
誰かに感想を言いたくてたまらないのだけれど、
言えない、このもどかしさが、逆に、気持ちよかったりして。(笑)

この気持ち、あなたも味わってみませんか?

夏の終わりは、本格ミステリにどっぷりつかってみては?

yukikotajima 10:27 am