28.29 母の日にちなんで、『母』についての本を2冊。
2010年5月10日
昨日は母の日でしたね。
お母さんに感謝の気持ち、伝えましたか?
今日は、母の日にちなんで「母」がテーマになった本を2冊ご紹介します。
まず、1冊目は、お母さんのことを書いたエッセイ、
益田ミリさんの『お母さんという女(光文社知恵の森文庫)』です。
この本は、著者の益田ミリさんのお母さんのことが書かれているのですが、
のほほんと面白く、私は読みながら終始笑顔でした。
ケラケラお腹を抱えて笑ってしまうエピソードや、
かと思ったら、無性に泣けるエピソードもありました。
まえがきは、こんな質問で始まります。
「あなたのお母さんはいくつあてはまりますか?」
例えば…旅行先で買ったキーホルダーを鍵に付ける。干支のせっけんを玄関に飾る。
など、いくつかのお母さんの行動が並んでいます。
私も、わかる、わかる、とまえがきからすでにニヤニヤ笑顔。
その後は、「母と写真」、「母とバッグ」、「母とチラシ」など、様々なエピソードが綴られていきます。
そして、必ず、エピソードの終わりには、見開きでマンガが描かれています。
ゆる〜いマンガなのですが、文字だけでは伝えきれない、絶妙な「間」が感じとれて、
マンガはマンガで面白かったです。
いくつかあるエピソードの中で、私の母とまるで一緒だ!と思ったのは、
「母と写真」のエピソード。
実家に帰れば、必ず、お風呂上がりに母が言うのが、
「写真見る?」
私の小さい頃の写真はもちろん、最近撮りためてきた写真を見せてくるのです。
デジカメ購入後は、ほとんど現像しなくなった私ですが、
母は、今でもちゃんと現像をしているんですね。
そして、この写真は、いついつのもので、どこどこに行って…と話し始める。
私は、その様子を聞きながら、母たちと一緒に出かけた気になるわけです。
本に書かれたエピソードそのものが私と母の関係そのままで、
どこの家も一緒なんだなと、あたたかな気持ちになりました。
全てのエピソードのオチがあるわけではないのだけれど、
読み進めるほどに、温かな気持ちになります。
お母さんのことが大好きな全ての方に読んでもらいたい本です。
できれば、読んだ後は、是非、お母さんにも読んでもらって下さい。
きっと、どのお母さんも、自分のことが描かれているとは思わず、
「面白いお母さんがいるもんだね〜」
なんて、客観的に感想を言いながら、ケラケラ笑っているような気がします。(笑)
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さて、もう1冊は、先日、NHKでドラマ化された
角田光代さんの『八日目の蝉(中央公論新社)』です。
ドラマをご覧になっていた方もいらっしゃるかもしれませんね。
ちなみに私は見ていません…。
先ほどの本は、母を愛する娘のお話でしたが、
こちらは、娘を愛する母のお話。「母性」が描かれています。
話の軸は2つ。
不倫相手の子供を誘拐し、ある年齢まで育てた女性のお話と、
その子供が大人になってからのお話です。
話題作でいつか読みたいと思いつつ、
切ないストーリーというのを聞いたため、
読んだ後に、その切なさややるせなさをひきずりそうでこわいと思い、
なかなか読めずにいました。
でも、読んでよかったです。
やっぱり最後まで読んでみないとわかりませんね。
読みもせず、こういう本でしょ、と、知ったかぶる人が嫌いなくせに、
あやうく、自分がそういう人になるところでした。
人間の弱さ、強さ、もろさ、ずるさなど、人間の様々な部分が描かれています。
だから、読んでいて、なんかめんどくさい、と思う人もいるかもしれません。
でも、人間はそもそもめんどくさいものなんだ、と思うのです。
そのめんどくささの中にこそ愛があるのかもしれません。
すでにお母さんになっている人も、まだの人も、女性たちに読んでもらいたい1冊です。
今日は、「母の日」に合わせて2冊の本を紹介しましたが、
あまりにも極端な2冊だったかもしれません。
でも、共通点はありますよ。
どちらも大切な人を「愛する」気持ちに変わりは無い、という点で。