13『ほかならぬ人へ』
2010年2月18日
第142回直木賞受賞作、白石一文さんの『ほかならぬ人へ』を読みました。
先日、東京に行ったときに、新宿の紀伊国屋書店でみつけた、
この本の「熱烈応援ペーパー」を見たら、読みたくてたまらなくなってしまったのでした。
その応援ペーパーに書かれていたのが、これ。
「ベストの相手が見つかったときは、
この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ」
小説の中の一文でした。
どうです?未婚の方、早速、読みたくなったんじゃないですか?(笑)
それでは、早速、簡単にストーリーをご紹介しましょう。
裕福な家庭に生まれた27歳の明生(あきお)は、
その生活に馴染めず、一人、居心地の悪さを感じています。
そんな中、周囲の反対を押し切って美人のなずなと結婚し、
幸せな日々を過ごしていたのですが、
突然、なずなから「元カレのことが忘れられない」と打ち明けられ…
というお話です。
明生のまわりには、なずな以外にも、
幼馴染の女性や、会社の女性の先輩など、
様々な女性が登場します。
彼女たちが明生とどのように関わっていくかについては、是非、本を読んでみて下さい。
そして、この本には、もう1作、「かけがえのない人へ」という作品も収録されています。
二つの作品につながりはありません。
でも、自分にとってベストな相手は誰なのか?というテーマは、同じです。
運命の人に出会ったときには、ビビビとくる、なんていう人もいますが、
何をもって「ベストな相手」なのでしょう?
私は、わかりません・・・。
というか、わかっていたら、既に結婚しているか。(苦笑)
でも、実際、自分の心に正直になったら、
案外、簡単にわかるものなのかもしれませんね。
と言いつつ、正直になったら、必ずしもハッピーになれるかといったら、そうじゃない。
もしかしたら、アンハッピーな結果になってしまうこともあるかもしれない。
辛くなるのがわかっているから素直になれない、という人もいると思うし。
私だって、できることなら、お互いにベストな相手だと思える人に出会って、
ハッピーな日々を過ごしたいと思うけれど、こればっかりは、わからない。
でも、どんな結果になるにせよ、
自分の気持ちには、ちゃんと気付いてあげたいな、と思いました。
気付かないフリって、1度すると、慣れちゃうんですよね、心が。
本のタイトルにもなっている「ほかならぬ人」は、
恋人、友達、家族など、人によって様々だとは思うけれど、でも、それだけじゃない。
ほかならぬ人は、「自分自身」でもあると思うのです。
私は、この本を読んで、自分自身と、もっと会話をしようと思いました。
恋をしている人も、恋がしたい人も、恋を終わらせたい人も、
「恋」について考えている方は、是非、読んでみてください。
また、自分の本当の気持ちを知りたい方にもオススメ♪
きっと、あなたを覆う、嘘や言い訳でできた殻の中から、
むきたての卵のような、素直な自分がつるんと顔を出すはずです。