73 小説『サヨナライツカ』
2009年12月26日
1月に映画化される、辻仁成さんの恋愛小説『サヨナライツカ』を読みました。
大好きな西島秀俊さんが出演することを知り、
映画の公開が待てず、先に原作に手が伸びてしまったのでした。
舞台は、1975年のバンコク。
最高級ホテルに住む沓子は、エリートビジネスマン豊と出会い、互いに魅かれ合います。
これだけでしたら、赴任先の海外で出会った2人の素敵なラブストーリーになるのですが、
なんと、豊には東京に婚約者がいるんですね〜。
控えめでお嬢様の婚約者と、まるで正反対の、奔放で妖艶な沓子。
さて、豊は、どのような選択をするのか!?
簡単に説明すると、こんな感じのお話です。
映画では、沓子を中山美穂さんが、豊を西島秀俊さんが演じています。
小説は、豊目線で話が進んでいきます。
最初は、沓子とは結婚式までに別れればいい、と考えていた豊ですが、
美しく、わがままな沓子の強引さに徐々にはまっていっちゃうんですね〜。
沓子は、一体どんな女性なのか、途中まで、まったくわかりません。
何をしている人なのか?何歳なのか?出身地は?
でも、豊は、そんなことは気にせず、
というか、気にならないくらい、沓子に傾倒していきます。
でも、本当に愛している、というのは、そういうことなのかもしれませんね。
その人にまつわる一切の情報や条件ではなく、
その人自身を愛している、ということになりますものね。
この作品には、
「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すのか、それとも愛したことを思い出すのか」
といった問いかけが繰り返し出てきます。
実際、今、ブログをお読みのあなたは、どうですか?
私は、正直言って、今はわからないけれど、
たぶん、愛したことを思い出すのかなあ、という、あいまいな答えのまま、
主人公たちの返答はどうだろう?と読みすすめてみました。
沓子の返答は、私の心をズキンとうならせました。
私もこうでありたい、と思いました。
沓子は、最初は、自由奔放すぎて、私には、相当感じ悪くうつりましたが、
でも、知れば知るほど、その不器用さが切なくて、泣けて仕方なかったです。
私は、映画の公開が待てず、先に小説を読んでしまいましたが、
ストーリーを知ってしまった今は、逆に、感情移入し過ぎて、大泣きしてしまいそうです。
早く映画が見たい〜!
ちなみに公開は、1月23日(土)です。
まだあと1ヶ月近くあるわ…。待てない。