日本の歌曲、声楽の魅力PART2
2010年12月24日
先週に続いて富山の音楽シーンを応援するOTANIふれ逢いステーションによる
ふれステ・マガジン。ゲストは富山市の声楽家、ソプラノ歌手の小松由美子
さん、今週は小松さんの声楽への思いを伺いました。小松さんは実は元県立
高校の音楽の先生。生徒達に音楽の深い魅力を伝えるために授業でも情熱を
傾けられたそうです。退職のとき自身の声楽もやめようと一度決意された
そうですがその前にと出場された平成15年のカワイクラシックオーディ
ション声楽部門で過去最高点で最優秀賞を受賞。先週ご紹介した平成19年の
奏楽堂日本歌曲コンクールでも審査員に絶賛されたのが小松さんにとって人生
を変えるほどの大切な歌となった山田耕筰作曲の「幽韻」という小野小町や
和泉式部の和歌にメロディーをつけた歌曲。スタジオでも小松さんの歌声を
録音で聴かせて頂きましたが日本語の美しさ、そしてもののあわれと恋の思い
に心ふるえる古の日本女性の美意識はヨーロッパ文化で生まれたオペラのア
リアを勉強して歌う声楽の経験だけでは表現しきれないものと実感しました。
「華やかな声楽の歌に比べて地味で暗いかもしれないけれど…」と小松さんは
謙遜しますがご自身にとって人生の大切な歌である誇りがしみじみと伝わって
きました。東京でのソロコンサートには友人達が多く駆けつけてくれたり、
声楽仲間とのステージや常に背中を押してくれる師、ピアニストで声楽家の
塚田佳男さんなど多くの大切な出会いが歌につなげてくれていると小松さん。
指導する合唱団「エコール」と共にハワイでのコンサートや現地の人たちへの
ボランティアレッスンも何度も行い日本の歌曲を待っている人たちの熱い思い
に触れ、国を越えてその素晴らしさを伝えたいと気持ちを新たにされたそうです。
以前はやめるやめるの小松さんってからかわれるほどだったけれどセミナーや
コンクールで90歳でも生き生きと声楽に向かう方がいらっしゃるのに感銘し
自分も同じように長く楽しく歌い続けたいと今は思うとおっしゃっていました。
本日は小松さんのコンサート録音から「夜来香」をお届けしました☆
美しい歌の世界を知っている小松さんはふんわりとした笑顔も素敵な女性、
私にとっても素晴らしい出会いになりました。私も大切なこと見つけなくっちゃ!
2週に渡ってのお話、本当にありがとうごさいました。
さて年内の放送は本日が締めくくり、次回は新年1月7日になります。
皆様、どうぞよいお年をお迎え下さいね♪
(Takagishi記)