6月17日&24日は富山で生まれた弦楽器が世界で響く!
2011年6月17日
富山の音楽シーンを応援するOTANIふれ逢いステーションによるふれステ
・マガジン、今回は富山で楽器を製作している方をご紹介します。ゲストは
弦楽器工房ヴレの嶋悦広(しまよしひろ)さん。高岡にある工房ではヴァイ
オリン、フラットトップ・ギター、フラットマンドリンを製作されているの
ですが測量士のお仕事と平行しながらの日々とか(2足のわらじならぬ1.3
足ですと謙遜されていましたが…)。実は嶋さんの作るギターは今年、グラミ
ー賞でノミネートされたブルーグラスのアーティストも使っているのです(そ
のあたりのお話は来週詳しく伺います!)本日最初に聴かせていただいたのは
日本のヴァイオリン職人さんの製作楽器の品評会とも言える試奏会の時の音源。
嶋さんの作ったヴァイオリン、豊かな響きでうっとりでした♪もともと何であ
れ職人という仕事に憧れていたという嶋さん、測量士も弦楽器職人も共通する
のかも。自分で楽器を作りたいと思うようになったのは数種類の弦楽器が使わ
れるブルーグラスミュージックに魅了されてから。シビアな歌詞にトラディ
ショナルなサウンドが抜群なんだそう。なかなか海外で修行というわけには
いかないので知人の紹介で富山のヴァイオリン製作の第一人者・故伏木三郎
さんの下に仕事をしながら通い学んだとか。それが今から約30年前のこと。
いい音を覚え込むためストラディバリウスやガルネリといった名器の演奏会も
先生とよく行ったおっしゃっていました。一年間伏木さんの下で学んだあとは
自分自身で全ての道具をそろえて自問自答しながらの創意工夫の日々。しばら
くはインターバルがあったものの自分の技術を生かしたいと12年前に工房を
立ち上げました。ちなみにフラットマンドリンは背中の丸いヨーロッパのマン
ドリンとは違ってアメリカで生まれた背中がフラットなマンドリン。船の輸送
に便利なように形がフラットになっていったとの歴史があるらしい。嶋さんは
ヴァイオリン製作の技術を元にフラットマンドリンを製作しているのですが
じつは元々ヴァイオリン製作を行っていたギブソンもその技術をフラットマン
ドリンに生かしていると言われ、それで平たい形になったとの説もあるのです。
嶋さんの弦楽器はイタリアなどから材を取り寄せ手作りの工程で1本完成にも
3ヵ月かかることもありますが音楽を愛するからこそ納得いく理想の音を目指
してじっくりと製作に向き合い、長く残る楽器をと精進の日々。本日お届けした
曲は嶋さんの製作したヴァイオリンを演奏する岸本一遥さん(ブルーグラスの
場合、ヴァイオリンではなくフィドルと言った方がいいですね)が参加した
稲葉浩志さんのソロアルバム「Wonderland」から「 I am your baby」でした☆
来週はアメリカのギタリスト・クリス・シャープさんとの親交やグラミーノミ
ネートアルバムから「Love Grown Gold」をお届けする予定です☆嶋さん製作の
ギターの響きをたっぷりとお楽しみいただく他、先日行われた北陸ブルーグラス
フェスティバルや10月に八尾の坂の町アートで開催されるフラットマンドリン
・ライブのお話もありますよ。弦楽器工房ヴレのHPはこちらです♪(最近はミク
シィやフェイスブックに移行されていて更新は止まったままなのは御容赦をとの
ことでした!!!)
(Takagishi記)