第9話「義仲、入京」の巻(2019年12月10日・放送)
2019年12月10日
いよいよ京の都を目の前にした義仲。
しかし進軍を止めてしまいました・・・
このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。
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①
平家軍を追って、加賀国(かがのくに)から越前国(えちぜんのくに)、
そして近江国(おうみのくに)へと快進撃を続ける義仲軍。
ところが、京の都を目前にして、進軍を止めたのであります。
(義仲)「都に影響力を持つ比叡山延暦寺を味方につけなくては、京へ入れない」
思案する義仲。
②
そこで、覚明(かくめい)が延暦寺に向けて、
味方につくよう諜状(ちょうじょう)をしたため、送ることとしました。
これを受けて、延暦寺では、議論がわき起こります。
「今まで平家に味方していたのだから裏切ることはできない」
「いやいや、今は木曾義仲に勢いがある。源氏に味方すべきだ」
なかなか意見がまとまりません。
しかし、延暦寺は勢いのある木曾義仲に、新しい時代の息吹を感じ、
義仲に味方することを決めました。
延暦寺が味方についたことを知った義仲、ついに全軍で京の都に進軍したのであります。
③
対する平家、延暦寺が裏切ったことを知り、右往左往。
「倶利伽羅峠の戦い」で多くの将兵を失ったことから、
京の都を守ることができないことを悟りました。
清盛亡き後の平家の棟梁、平宗盛(たいらのむねもり)は、
安徳天皇を奉じて、西国に落ち延び、再起を図ることにいたしました。
④
都落ちする平家に代わり、都に入ったのは我らが義仲。
源氏一族の中で、いち早く平家を追いやり、入京を果たした木曾義仲であります。
「わーわー、戦もなく平家を追い出してくれたー」
「これで暮らしやすい世の中になるぞー」
庶民の歓喜の声の中、威風堂々、凛々しく馬に乗り行進する義仲。
そのそばには、家臣の今井兼平、樋口兼光、そして、巴御前の姿もありました。
⑤
そして、後白河法皇に御所で拝謁することとなった義仲。
平家一門を都から追い払った功績により、従五位下(じゅごいのげ)左馬守を任ぜられ、
朝日将軍の称号を賜ったのであります。
朝日将軍。
朝日のように、破竹の勢いで進軍してきた義仲に与えられた、まさに名誉ある称号。
この日が義仲にとって、人生で最良の日であったのかもしれません。
<おわり>