シーズンⅡ「巴御前」第7話「義高と大姫、悲しい恋物語」の巻(2020年10月13日・放送)
2020年10月13日
今回は「源平盛衰記」などに登場する
木曾義仲の子「清水義高」の悲しい恋物語について
ご紹介します。
このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。
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木曾義仲の子 清水義高。
「源平盛衰記」などに登場する義高。
今回は、その悲しい恋物語をお伝えしましょう。
寿永2年、木曾義仲の勢力拡大を恐れた鎌倉の源頼朝。
十万の軍勢を信濃国に進軍させ、義仲に圧力をかけました。
そして、人質を出すか、戦をするか、義仲に迫ったのであります。
この時、人質の候補となったのが、義仲や頼朝の叔父、
志太義広(しだよしひろ)と源行家(みなもとのゆきいえ)。
もしくは、義仲の息子、義高だったのであります。
頼朝と合戦することを主張する家臣たち。
しかし、義仲の考えは違いました。
(義仲)「あくまでも大義は打倒平家。源氏同士で争っている場合ではない」
(義仲)「……義高、鎌倉へ行ってくれるか?」
最愛の息子を差し出す無念さを押し殺す義仲。
こうして、義高は鎌倉に迎え入れられ、頼朝の娘、大姫を許嫁といたしました。
このとき義高は十一歳、大姫はわずか六歳。
鎌倉での義高は、武芸に励み、幼いながらも、大姫と仲むつまじく暮らしていました。
少年と少女の淡~い恋。
しかし、悲劇が起こります。
京に進軍して、平家を都から追いやった義仲、後白河法皇の陰謀もあり、
頼朝の軍勢により討ち取られてしまったのです。
(義高)「大姫、父上が討ち取られた。覚悟はしていたが、私の命も危ない」
(大姫)「義高様、逃げてください」
幼い大姫は、大好きな義高を逃がすことにしました。
夜、女性の衣装を身にまとった義高は、静かに屋敷を抜け出します。
しかし、頼朝の追っ手に追いつかれ、哀れ、討ち取られてしまいます。
清水義高、享年十二。
義高が討ち取られたことを知った大姫は、父、頼朝を深く恨むことになりました。
成長した大姫に、いくつもの縁談が持ち込まれましたが、
自分の夫は義高だと主張し、全て断ります。
大姫は、義高のことをずっと想い続けたのです。
そして、二十歳(はたち)という若さで亡くなってしまいました。
義高と大姫の幼い恋心。
ああ、それはまるで、ロミオとジュリエットのようです。
今なお語り継がれる、とても悲しい鎌倉時代の恋物語。
<おわり>