第7話「勝利を呼ぶ鳩」の巻(2019年10月8日・放送)
2019年10月8日
今回は、現在の富山県小矢部市にある
埴生護国八幡宮にて倶利伽羅峠の戦い前に
先勝祈願をした際のお話です。
このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。
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般若野の戦いで勝利した今井兼平。
その報せを聞いた義仲本隊は一気に越中へ進出。
義仲は倶利伽羅峠のふもと近くに源氏の白旗を立て、大軍を装います。
対する、平家軍の総大将 平維盛。
「明日はいよいよ決戦! 今夜はゆっくり休んで疲れを取るのじゃ!」
一方の義仲。
あたりを見渡すと、小高い丘に社殿が見えました。
地元の武将、池田次郎忠康に尋ねると「埴生八幡宮」とのこと。
八幡宮は源氏の守護神。
義仲はそこで戦勝祈願することにします。
参謀役の覚明を呼び寄せた義仲、戦勝祈願文をしたためさせました。
(覚明)「きみょうちょうらい……むにゃむにゃ……
平家と戦うのは、天皇や朝廷を助けるため。そしてなにより庶民のため。
決して己の立身出世を願って戦っているのではありません。
ぜひとも、この戦(いくさ)、勝たせてください」
季節は梅雨。この時も小雨が降っておりました。
しかし、覚明が、祈願文とかぶら矢を奉納した瞬間、
突然、空が晴れ渡り、雲のすき間から鳩が!
(鳩の飛ぶ音)「ひゅーっ、バサバサバサッ、すいーー (鳩の鳴き声)」
舞い降りてきた鳩が、源氏の白旗の上を飛び回ったのであります。
(義仲)「鳩は源氏にとって吉兆。この戦(いくさ)、勝ちに間違いない!」
(兵士)「おーぅ!」
そして、その夜、義仲軍は、倶利伽羅峠で眠りこけている平家軍を取り囲み、
一斉に攻め込んだのであります。
暗闇の中、眠っているところを襲われた平家軍は大混乱。
次々と谷底へと消えて行きました。
そんな中、なんとか脱出できた平維盛は加賀国へと逃げて行きます。
追撃の手をゆるめない義仲。
しかし、梅雨時のため、加賀国の川は増水しております。
そこで、義仲軍の兵は手を取り合って、川を渡ったとのこと。
その川は、現在、手取川と呼ばれているそうな。
<おわり>