第5話「義仲、挙兵」の巻(2019年8月13日・放送)
2019年8月13日
いよいよ、木曾義仲の戦いがはじまります。
さて、どのような戦いをしていたのかをご紹介します。
このブログでも、絵とともにお話をご紹介します。
----------
平家一門の繁栄のかたわら、庶民の暮らしは、ますます悪くなる一方。
そんな中、後白河法皇の皇子 以仁王は、平家を打ち倒すことを促す命令書「令旨」を
全国の源氏に配りました。
鎌倉にいた源頼朝、そして、信濃国にいた木曾義仲のもとにも、
その令旨が届いたのであります。
(義仲)「国を正し、庶民の暮らしを守るため。今がその時!」
治承四年、1180年9月、義仲は信濃国の豪族に呼びかけ、ついに挙兵。
集まった兵は一千騎。
中原兼遠の子 樋口兼光、今井兼平、そして、巴御前も鎧を着用し、薙刀を手にして、
義仲のそばに立っておりました。
(檄をとばす義仲)「今こそ、平家を討つぞ!」
(応える武将たち)「おおう!」
力強い鬨の声が木曽谷にこだましました。
こうして立ち上がった義仲軍。
幸先よく初戦を制し、その武勇が評判を呼び、義仲に味方する武将が増えてまいりました。
これに危機感を覚えたのが越後国の城氏。
大軍をもって信濃国に攻め込んできたのであります。
倍以上の敵を前に、横田河原に布陣した義仲軍。
果たして勝敗はいかに?
ここで一計を案じた義仲。
井上九郎光盛に、こう命じました。
(義仲)「平家の赤い旗をもち、城氏の本陣のうしろから近づけ!」
光盛は、義仲の命令どおり、赤い旗をかかげ、平家軍を装い、城氏の本陣に
近づいていきました。
(城氏の兵)「おー、味方が来たぞ! これで我ら城氏の勝利は間違いない!」
と、その時、
ドサッ、バサッ、シャキーン
光盛は赤い旗をうち捨て、源氏の白旗をかかげ、刀を抜いたかと思うと、
敵の本陣に駆け込んでいったのであります。
(義仲軍)「うおー うおー 我らは義仲軍だー!」
一斉に攻め込む義仲軍。
(城軍)「うわー、なんだ? なんだー? なんてこったー!」
「味方ではない! 敵だ、敵だー!」「逃げろ、逃げろー」
すっかり混乱した城氏の軍勢。
なすすべもなく、越後国へと逃がれていきました。
大軍を、わずかな兵力で見事打ち破った木曾義仲。
彼の戦いの人生は、こうして幕を開けたのであります。
< おわり >